ビジュアルデザイン部 前田葵衣

姉が覚えてくれていた財布

あなたの仕事道具を教えてください。

姉が覚えてくれていた財布

そのお財布は、いつ手に入れたのでしょうか?

入社後、仕事に慣れた頃です。

ちょうど仕事にも少し余裕が出てきて、気持ちの面でも落ち着いてきた頃だったと思います。もともとその財布は、私がずっとデザインを好きだと言っていたもので、いつか自分で買いたいと姉に話していました。すると誕生日に姉が覚えていてくれて、プレゼントとして贈ってくれました。自分の何気ない言葉を大事にしてくれていたことが、とても印象に残っています。

お姉様への想いは、なぜ深いのですか?

姉は一番の理解者だから

姉とは二歳差で、姉妹でありながら友達のような距離感で過ごしてきました。母子家庭で大変な時期も多かったので、自然とお互いを支え合う関係になったのだと思います。今でも生活や仕事でしんどいことがあると、最初に話したくなる相手が姉です。性格は私と少し違って姉の方が落ち着いているのですが、そのぶん自分にない考え方をくれて、気持ちを整えてくれる大切な存在です。

そのお財布が教えた大切さとは?

丁寧さが仕事を守ると学んだ

一度、野外ライブに持って行った時に大雨に降られてしまい、袋に入れていたバッグの中まで濡れて、革の表面が少し傷んでしまったことがありました。すごく焦りましたが、きちんと乾かして丁寧に手入れをしたら、また元のように使える状態に戻ってくれました。その出来事をきっかけに、私は物を大切にするというのは、ただ持っているだけではなく、傷んだ時にちゃんと向き合うことなんだと実感しました。

その学びは仕事にどう活きましたか?

丁寧な確認力が育った

先輩に頼れる環境で仕事をしていた頃は、どこかで甘えてしまっていた部分もあったと思います。しかし、担当していた作業を一人で回すようになってからは、印刷物は一つの確認漏れでも全部やり直しになる怖さを強く意識するようになりました。客先データの内容や図面のズレまで自分で丁寧に見る習慣がつき、仕事への向き合い方が大きく変わりました。財布を大切に使い続けてきた感覚は、目の前の仕事を雑に扱わない姿勢にもつながっていると思います。

自分の後輩にはどんな言葉をかけますか?

一人で抱えず、まず話して。

行き詰まっている人がいたら、まずは一人で抱え込まなくて大丈夫だと伝えたいです。私自身も、先輩が抜けて急に一人で仕事を回すことになった時期は、不安が大きくて戸惑いました。そんな時ほど、焦って早く終わらせるより、確認する順番を一緒に整理することが大切だと思っています。できていないことではなく、もうできている部分を言葉にして返しながら、その人のペースで前に進めるように支えたいです。